この記事では小説「母性」のあらすじと感想を書いています。
感想を一言で言うと、「親子のすれ違いが切ない小説」でした。
次読む一冊選びの参考にしてください!
小説「母性」の書籍情報
- 著者:湊かなえ
- 出版社:新潮社
- 発売日:2012/10/31
- ページ数:266ページ(単行本)
- 累計120万部突破!
- 2022年11月23日映画化
戸田恵梨香×永野芽郁
監督:廣木隆一
小説「母性」のあらすじ
自宅の中庭で17歳の女子高生が倒れていると警察に通報が入った。
警察は事故と自殺の両方で原因を調べている。
「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて信じられません」
事故か、自殺か、それとも殺人なのか……。
「母の手記」と「娘の回想」を通して、物語の真相に辿りつく。
小説「母性」の感想
小説「母性」の個人的ポイントを2点紹介します。
- ルミ子の母親に対する強すぎる愛
- 親と成人前の子供という親子関係
ルミ子の母親に対する強すぎる愛
お母さんなどと呼ばれたくない。私にとってお母さんという言葉は愛する母、ただ一人のためにあるのだから。軽々しく用いたくありません。
「母性」 湊かなえ
ルミ子が娘に自分のことを何と呼ばせるか考えていたシーン。
物語の所々でにじみ出る、ルミ子の母親に対する強すぎる愛。
この愛の強さが不気味さを漂わせます。
一方にしか向いていない、偏った愛が悲劇の引き金となってしまったのかもしれません。
親と成人前の子供という親子関係
成人前の子供は親に依存しなければ生きていけません。
もし、親子以外の人間関係や成人してからの親子関係を描いていたら、違った結末になっていたでしょう。
親と成人前の子供という親子関係がすれ違いの切なさを増幅させています。
私は成人前の子供を持つ親の立場でもあります。
ふと、自分はしっかりと子供の気持ちに寄り添えているのかと考えさせられました。
物語を読み終えた後、現実の世界に戻り、改めて自分の子供と向き合っていきたいと感じました。
まとめ
小説「母性」のあらすじと感想でした。
「母性」というタイトルですが、母親に限らず、親の立場にある人にオススメです。
親子関係を改めて見直すきっかけになる一冊になります。
こちらの作品はaudibleで聴くこともできます。
オーディオブックサービスに興味のある方はこちらもご覧ください。
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