この記事では「世界から猫が消えたなら」のあらすじと感想を書いています。
感想を一言で言うと、「世の中はトレードオフだということを思い出させてくれた本」でした。
次読む一冊選びの参考にしてください!
「世界から猫が消えたなら」の書籍情報(文庫本)
- 著者:川村元気
- 出版社:小学館
- 発売日:2014/9/18
- ページ数:229ページ
- 2013年本屋大賞ノミネート作品!
- 世界累計発行部数200万部突破!
- 2016年映画化!
「世界から猫が消えたなら」のあらすじ
なかなか風邪が治らない僕。
病院で診察を受けるとグレード4の脳腫瘍。
家に帰って倒れ込み、目を覚ますとそこには悪魔(アロハ)がいた。
アロハは僕が明日死ぬことを伝えにきた。
絶望する僕にアロハは取引を持ちかける。
「世界から一つだけ何かを消す代わりに、一日の命を得ることができる」
取引に応じて電話や映画、時計などを消すごとに一日命が延びた。
アロハは次に世界から猫を消すことを告げる。
それを聞いた僕は……。
「世界から猫が消えたなら」の感想
「世界から猫が消えたなら」の個人的ポイントを2点紹介します。
- 大人になって得るものと失うもの
- 便利になって得るものと失うもの
大人になって得るものと失うもの
大人になって得たものと失ったもの。もう二度と取り戻せない、感動や感情。そのことを思うと、なぜだか無性に悲しくて涙が止まらなかったのだ。
「世界から猫が消えたなら」 川村元気
同じ映画でも、観る時期によって感じることはまったく違うものです。
物語の中で「僕」は3歳のときに初めて観た映画『E.T.』を25年ぶりにテレビで観ました。
25年前と同じシーンで涙したのですが、それは感動によるものではなく、感動しなくなってしまったことに対しての悲しさによる涙でした。
この気持ち、めちゃくちゃわかります
自分も同じような気持ちになることが多々あるので、非常に共感する一節。
もしかしたら、また数十年後に同じような気持ちになるのかもしれません。
だからこそ、今、感動できることを大切にしたいと感じました。
便利になって得るものと失うもの
すぐに伝えられないもどかしい時間こそが、相手のことを想っている時間そのものなのだ。 かつて人間にとって、手紙が相手に届き、相手から手紙が届く時間が待ち遠しかったように。
「世界から猫が消えたなら」 川村元気
世の中はどんどん便利になっていきます。
手紙が生まれ遠くの人とコミュニケーションが取れるようになりました。
その後、電話が発明されます。
さらに、携帯電話が生まれ、そして今ではチャットツールが主流となり素早くコミュニケーションが取れるようになりました。
便利になる反面、昔のように返事が待ち遠しいという気持ちは感じられなくなってしまったように思います。
嬉しいような悲しいような……
何かを手にいれるためには、何かを手放さないといけないという原則。
欲張りにならず、自分の価値観に基づいて、主体的に物事を選んでいきたいと感じました。
まとめ
「世界から猫が消えたなら」のあらすじと感想でした。
人は人生の中で多くのものを得て、多くのものを失っていきます。
そして、命を失うとわかったとき、本当に大切なものに気づけます。
「世界から猫が消えたなら」を読むと、「僕」と自分を重ね合わせて、明日寿命を迎える疑似体験ができ、本当に大切なものに気づくきっかけになります。
気になった方はぜひ読んでみてください。
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